【完】ラブ☆パワー全開
「いいよ。綾さん、そんな思い詰めた顔せんといて?」
いつもみたいに
優しい笑みを零した仁の顔を見ていたら、
泣きそうになる。
「変なこと言うてごめんな?」
そんな哀しい目をしないで。
「変なことなんかじゃないよ! ただ……あたしが」
わかってるんだよ、仁。
あたしが悪いって。
何で、ここでで“ごめん”なの? って。
でも、あたし恐いんだ……。
仁と終わってしまう事が。
「わかってるって。俺、待つし」
「え?」
「綾さんが俺じゃないとあかんーって言うまで待ってるわ」
少しチャラけて笑うから、
唇をグッと噛んだ。
そうしなきゃ泣いて抱きついちゃいそうだったんだもん。
「“あかん”なんて大阪弁使わないよ」
「あ、そっか」
そう笑ってくれた仁の優しさが痛い程伝わってきて。
あたし何してんだろ。
そう思った。