【完】ラブ☆パワー全開
「むーり。綾が誘ったんやん?」
顔を上げた仁は、
悪戯な笑みを零した。
「えっ?」
「せーっかく久しぶりやし、
デートでもしよって思ってたのに、
俺の我慢を無駄にしてくれたんやから。
責任とってな?」
へ?
どういう意味?
「……んんっ」
キョトンとした顔をしてるあたしの頭の後に手を回し、仁の唇へと引き寄せられた。
さっきの軽いキスとは違って、
熱くて強いキス。
いつもより激しく感じるのは、
こんなキスが久々だから?
捕らえられた舌が熱くて、
溶けてしまいそうになる。
隙間から漏れる甘い声や息、
全てに感じてしまう。
やっと離してくれて、
目を開けると、
そこには真剣な男らしい仁の顔があって。
「綾……好きやで」
って言葉で、立っていられなくなった。
仁の胸に顔を埋め、支えてもらう。
そして、あたしも
「仁、好き」
って言葉を返した。