【完】ラブ☆パワー全開
「何、泣きそうな顔してん?」
「だってぇー……」
「嘘。ちょっと意地悪してみただけ」
「へっ? あっ」
そう言って手首を軽く握り、退ける。
胸元へ唇をはわしながら
『綾の困った顔が可愛かったから』
って……そんなところで、そんなこと言われても怒れないじゃん。
ゆっくり優しく、まるで壊れ物を扱うかのように。
あたしは、仁の全てに溺れてしまう。
自分の声なのに、遠くの方で聞こえるみたいで。
ベットに倒され、あたしの中心部分に顔を埋めた仁の柔らかい髪を掴んだ。
やっぱり、まだ我慢してしまう声は、ここまでくると我慢なんて知らない。
ドンドン大胆になって。
もう少しで
『もっと…』
なんて言ってしまいそうになる。
絶頂に酔いしれながらも
『仁って本当に高校生?』
なんて思ってる自分がいる。
体全部が空気を欲しがってるかの様に、息をする。
あたしを見つめる目が、熱くて。
たまに仁から漏れる声が色っぽくて。
“好き”って気持ちが溢れ出す。
「じ、んっ」
甘い声の間に必死に名前を呼んだ。