【完】ラブ☆パワー全開
「それに……男と女の友情って難しいじゃない。
例えば、仁の彼女が凄くヤキモチ妬きだったと設定してね」
仁の彼女!?
そうだよね、
友達だったら仁の彼女も見なきゃ駄目だよね。
同じ学生とか、かな。
学校帰りとか制服でデートとかしちゃうのかな。
一口も口をつけていない
カレーをかき混ぜ、
ありもしない姿を想像して表情が歪んだ。
「だから例えばだって。
もー、あんたは面倒臭いなぁー」
現実に戻され謝ると、
千恵が続ける。
「彼女が綾乃と会う事を不安がったら、引くのは綾乃。あんただよ?」
お行儀悪く、
お箸の先をあたしに向けた。
「それって平気?」
「……無理」
あたしの言葉を聞き終わると、
また千恵はうどんに手をつける。
それを見て、
あたしもカレーを口に運んだ。
「このままの関係をずっと続けていくのは無理。
今はよくても仁かっこいいもん。
周りがほっとくわけないよ。
彼女が出来るのも時間の問題じゃん」
ズバズバと的確な事を言われ、
どんどんと落ち込んでしまう。