【完】ラブ☆パワー全開



「余裕持つくらいなら、そのぶん綾のことをもっと好きなる時間にする。
だから余裕なんて持ちたくないけど」



ボソッと呟いた俺に、キョトンとした顔を見せて



「何!? ついに頭、変になった!?」



慌てふためく千恵がおかしくて、笑ってしまった。



「違うよ、さっきの彼氏君のセリフ」

「あぁ」

「いいね。若いって」



納得して目の前にある、皿に箸を伸ばし



「女はいつでも想われていたいもんなんだよ」



そう言った千恵を驚いて見返してしまった。



「千恵って、男は金だけだと思ってた」

「はぁ!? 何、私の口から恋愛の話が出たらおかしいって言いたいの?」

「いや、そういうわけではないけど、ね?」



苦笑いしか出来ない。



「私だって、好き嫌いで恋愛したいんだよ?
でも、上手くいかないじゃん。
だから取り合えず金でラインわけしてるだけ」



へぇ。
驚いた。

そんなこと考えてるんだ。



< 332 / 370 >

この作品をシェア

pagetop