【完】ラブ☆パワー全開
「じゃあ、もし素敵な男が現れたら金がなくてもいいんだ?」
「……頑張って稼いでもらう」
って、やっぱ金かよ!
真剣に考えて、真顔で言うセリフなのか?
「でもねー。馬鹿な男も嫌いじゃないよ」
そうニヤッと笑った千恵の顔に、ドキッとした俺は……
綾乃ちゃんの妄想がうつったのか。
「え、それって……俺のこ…」
「山北!」
「はいっ!?」
俺の言葉を遮り。
突然大きな声で呼ばれた俺は、情けなくも返事してしまって。
「あんた大人の男でしょう?」
確かに、千恵より年上だけど。
「確認するなんて、ダサイことしないの」
「……はい」
って、えぇ!?
それって……
千恵を見ると、心なしか頬が赤いような。
もしかして……これって。