【完】ラブ☆パワー全開
「ちょっ、何なのよ、楠木!」
私は、怒り爆発寸前。
最近何だか機嫌悪いし、
すぐ食ってかかるし。
揚句、仁と話している最中に、
こんなところまで引っ張り出されて。
「……」
「何黙ってんのよ?」
真っ直ぐに私を見つめたまま、何も言わない。
「楠木? あんた最近、何か変だよ?」
余りにも変な楠木が少し心配になってきた。
「だなっ。悪りぃ」
切なそうな顔で笑った。
何よ、どうしたわけ?
何か……あったのかなぁ。
「ちょっ……」
そう言うと中へ入って行ってしまった。
もう!
何なのよ。
今、ちょっとだけ心配してさ。
聞いてあげようって思ったのに。
楠木のわけのわからない行動に苛々しながらも、まだバイト中の私も楠木の後に続いた。