【完】ラブ☆パワー全開



結局、その日。



楠木はいつもと変わりなくて。

少し心配して、楠木を気にした私が馬鹿らしく思えたんだ。



「お先でーす」

「はーい、お疲れ」



更衣室から、先に帰る他の女の子達を見送ると私も帰る準備を始めた。



だって、今日は綾乃さんが来てるから。

上がる時間は仁と一緒だったから。

早く外に出れば、見ちゃうんだもん。


仁と綾乃さんが一緒に居るところを。


着替え終わり、いつでも帰れる。

そして携帯で時間をチェック。


結構経ってるよね。

いい加減、もう帰ってるよね?


そう思って、更衣室のドアから首を出して辺りをキョロキョロと覗いた。

って、私何してんのよ。


仁が居るっていうから、即OKしてバイトを始めたのに。

何でここまできて、こんな事しなきゃ駄目なのよ!



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