【完】ラブ☆パワー全開



「はぁー」



重い溜息をつきながらドアを閉めた。


仁は学校じゃ鬼みたいに冷たくて。

だけど、私だけは普通に喋ってくれるから皆より優位だと思っていたんだ。



それなのに……



文化祭で綾乃さんを連れて来て時。

見た事もない様な優しい笑顔で笑っていた。


本当は気づいた。
その時、気づいたんだよ。


私だってずっと好きだった。

綾乃さんより長い間、見ていた。



だから仁の気持ちなんて、すぐわかったの。



でも。
だけど。



どうして突然現れた様な人に取られたのかって思っちゃったんだもん。

仁の隣は、私だって思ってたんだもん。


学校まで入って来て。

バイト先にまで入って来て。


本当はそこ、私の場所だったのに。って。



こんな醜い気持ちをどうすればいいの?



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