【完】ラブ☆パワー全開
千恵め! 後で絶対キレてやる!
と、心の中で思ってたあたしの耳に当てた携帯からは
《……》
何も聞こえてこない。
あ、れ?
「仁?」
もう1度、呼んでみた。
でも……返事がない。
電波悪い?
耳から離した携帯を見たら、3本。
《……の?》
え?
耳に携帯を戻した瞬間、
微かに聞こえた声。
「ごめん、聞こえにくくて。なんて…」
《迎えに行くわ。
何時に終わんの?》
へ!?
迎えにって。
えぇ?
まさか、そんな返事が返って来るなんて思わなくて言葉に詰まった。
《だから、何時?》
「あ……何時でも!」
《え? じゃあ、すぐ行くわ》
あたしのマヌケな答えに、
ちょっと優しい仁の声。
つい声が上擦って、うん♪と返事した。