【完】ラブ☆パワー全開



「仁に会いたいよー」



未だしょぼくれたままのあたしに



「ほーら、シャキっとしなさい。シャキっと。
バレンタインは、バイト休みだから久々にデートなんでしょう?」



千恵が肩を叩いた。


そうなんだよ、
2月14日のバレンタインデーはデートの約束したんだ。



だけどさ、
だけどね?



新学期始まって以来、
ちゃんとしたデートしてないんだよ!?


人が足りないから。
って友達にお願いされて
始めたお洒落なカフェのバイトは
本当に忙しいらしく
当分、土日は休めないんだって。


仁が休みの日は、
あたしの仕事帰りにデート。

あたしが休みの日は、
仁のバイト前後にデート。


これで何が不満だって言われたら、
そりゃそーなんだけど。


でも付き合った途端、
これは辛いよー。



「あ、そうだ。今日の帰り、材料買いに行かない?」

「バレンタインの?」

「そ! 結構いっぱい売ってたし、早めに行った方が可愛いのとかあるって」



それもだな。

あげるなら、
やっぱ喜んで貰いたいし。



うん!

気分は変えて、
目指せバレンタインにラブラブだ!



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