【完】ラブ☆パワー全開
だって、そんな簡単に性格なんて直せないじゃん。
学校とバイトと凄く大変なの知ってるもん。
あたしと会う為に
無理して事故とかされる方が嫌だったんだもん。
本当にそう思うんだもん!
でも……会いたいって我儘な事を思う、あたしも居るんだ。
それに気付いたのか、
気付いてないのか。
仁は
『綾さんがいいならバイト終ってからでも会える?』
って優しい言葉をくれる。
あたし、仁に無理させてないかな。
あたし、重くなってないかな。
あたし、邪魔じゃないかな。
「あーもう! ナメクジ女! また不安いっぱいって顔して」
そう言って、あたしの頬を抓った。
「いふぁーい」
「“いふぁーい”じゃない! 仁が会いたいって言ってんだから自身持ちなさい」
千恵さん、会いたいじゃないよ。
会える? だよ。
そう言いたかったけど、
これ以上怒られるのは嫌だったから黙って、
仁の為にラッピングしたチョコを見つめていた。