【完】ラブ☆パワー全開
第3ボタン
「はい、到着」
そう言いながら、
エンジンを切った。
「ここって……?」
後ろでヘルメットを取りながら、
見上げるのは高層マンション。
「俺ん家」
あ、仁の家ってここなんだ。
へぇ~……って!
「はぁ!?」
見上げていた高層マンションから、
素早く仁へと視線を向けるといつもの優しい笑みがあたしを見ていた。
「期待通りの反応やな」
クスクスと笑う。
えっと……
聞きたい事は
いっぱいあるんだけど何から聞けばいいのかな?
ボーっと見上げているあたしの手を引き、
マンションの中へと歩き出した。
えっ?
えっ?
そう言ってる間に部屋の前。
「じ、ん!?」
突然の事に頭の中はぐちゃぐちゃで。
手土産持って来てない、とか。
なんてご挨拶しよう、とか。
わけのわからないことばかりが浮かぶ。