ウェディング・ドリーム
ファミレスに着いてからは、今日の反省点と今後の予定を話してから、自由時間の食事タイムとなる。

十五人程の団体なので席もばらばらに座る事になるが、私はいろいろな人とコミュニケーションをとるように、前回一緒に座った人の席には同席しないようにしている。

今回は良一がはじめて連れてきた、谷口里美と赤井恭子のいるテーブルに、今後も続けて来てくれるように話すつもりで席に着いた。

また例によって、隣の席といっても隣のテーブルなのだが、いつものようにいつの間にか優子が座っている。

里美と恭子は私と良一が知り合ったテニスクラブの会員で、良一が面白い奴がテニスサークルを主宰しているからと今回誘ったらしい。

私は不機嫌なふりをして良一に言った。

「面白いってどういうところを言っているのかな?」

笑いながら良一は答える。

「だってコンピューターのSEをやっている、スポーツ万能のテレビドラマオタクっていないだろう。暗いんだが明るいんだが判らないし」

確かに私は人から見たらオタクかもしれない。

テレビドラマのビデオやDVDを沢山持っていて、会社が終わってテニススクールやテニスクラブに行った後、家に帰ってから録画しておいたテレビドラマを必ず観ている。

弁解させてもらうと、テニスとかいろいろな趣味にしても、人並み以上にならないと気がすまないのでオタクと思われても仕方がない。

このドラマオタクの場合でいうと、将来は小説を書こうと思っているので、いろいろな表現方法やストーリー展開の勉強の意味で、ビデオやDVDを集めている。

予断ではあるが私自身、オタクや暗いと思われるのを好まず、ましてやコンピューター関係の仕事をしているとただでさえ暗いとかオタクと思われるので、外ではスポーツマンな面を全面的に打ち出している。
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