ウェディング・ドリーム
スポーツマンという面では、テニスの腕前は短時間だがプロの良一の相手が出来る程だし、ゴルフもシングルの腕前だし、ボーリングも高校の時プロの話もあったので間違ってはいないが、自分の家にいる時には、ドラマを観ながらパソコンをしている私を知っている良一から見ると、スポーツマンという文字は消えて、やはりオタクなのである。

里美と恭子が唖然としながらも笑っているのに対して、優子は私の意外な一面を垣間見た事で喜びに浸っていた。

「聞いてもいいですか?」

と恭子が私に向かって言ってきた。

「何でも聞いて」

良一が横から口を出し、

「良一さんは二十四歳と聞いていますが、雨宮さんも同じ位ですか?」

私は一言。

「そう、同い年だよ」

私に興味を持った様子の恭子に対し、

「こいつ無愛想でしょう?これでよく人を集めてサークルできるよね。それから独身で彼女もいないから誰でも彼女になれるよ。オタクでよければ」

笑いながら良一が言うと憮然としている私以外は大爆笑であった。

「そういえば、優子ちゃんはいつも真っ先に博史の車に乗るけど、博史に気があるのかな?今も何気に隣に座っているし」

良一が優子をからかい気味に言うと、私は内心びっくりしながら困った表情をし、優子は顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに下を向いた。

優子は容姿や性格がいいので、サークルの男性陣の中でも一際目立っていたが私にはとっては圏外であった。

それというのも、うちの家庭は父が芸能人の知り合いが多い関係で、いつの間にか妹が芸能人という事もあり、昔からスタジオに行く機会が多い。

そこで女優の綺麗な人や可愛い人を見慣れているので、女性に引かれる要素が容姿ではなく、性格や特技といった内面的なところに惹かれるのである。
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