約束【短編】

拓哉を見てれば分かるでしょ

拓哉は昔見たいに私を見てくれない

だからもし百歩譲って憶えてたと
しても
きっと彼は来ないだろう


・・・そう、来ない

来ないのに

「・・・・・・・・・」

それでも待ってしまう
来るはずのない拓哉を、何時間でも


見上げる先の滲んでごしごしと目を
こするけど止まらない

『何泣いてるの』

そんな拓哉の声が聞こえて、
でも周りに拓哉の姿はない
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