約束【短編】
頬から伝うそれは、ぽたりと
彼女のワンピースに落ちていく
「(・・なんで・・・)」
一瞬驚いて、直ぐに分かった
・・・きっと僕が来ないと思って
たんだろう
でも実羽は待っていてくれた
僕が忘れていると知っていながら
彼女は待っていてくれたんだ
胸が熱くて、苦しいくらい
締め付けられたんだ
・・・思えば、こうやって実羽を
ま正面から見るのは
こうやって彼女と向き合うのは
一体何カ月振り何だろう