HINEKURE~ヤマトノオロチの巻~
学校に向う。俺の家に泊まっていた彩乃も一緒に歩いていた。
ただ無言で歩いていた。
霞が自分の家の前で待っていた。
「優輝!!一緒に行こう!!」

「あぁ~、まぁ~一応な。」
後ろには、侫歌がキャンディーを舐めながら待っていた。
(なんで??俺の回りに女子がいるだ??あぁ~、嫌だ~。)
キレイな黒髪をポニーテールに上げている侫歌が
「この人が昨日の問題ちゃん??フフ」
彩乃が無愛想な目付きで
「うるさい。」
笑って
「でも、凄いじゃない!!ただの人間があの悪魔と契約するなんて。凄い執念。」
彩乃が
「………。」
霞が
「安心して私たちも友達になるから。」
人懐こい笑顔。
「オイ。先に行くぞ。」
と言って、優輝たちは学校に向かった。
頬に当たる風が少し冷たく感じた。
ふと空を見上げると、いつも以上に高くキレイに見える空で、自由に空を飛べたら気持ちが良さそうと思った。
(でも、高所恐怖症だ。)
笑いが零れた。
霞がそれを見て、
「何笑っての??」
彩乃
「キモい。」
優輝が
(コイツ、友達作る気あるのか??)
「……ちょっとね。」
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