HINEKURE~ヤマトノオロチの巻~
優輝は午前中ずっと寝ていた。
三時間目の霞がそれを遠くに見ていた。
(なんでアイツ、アレで頭いいんだろ??)
「霞さん??どうかしたの??」
隣りの席の中野豪(ナカノツヨシ)が声をかけてきた。
「…何にもないよ~。」
(私のファンクラブのリーダーで、なんかなれなれしいヤツ。顔がいいから、かなりモテてるらしいけど…。)
豪がキラキラ笑顔で
「今日、帰りに食事しない??」
霞が少し怒りながら
(またか~。)
「あの~、何度も言っているように、迷惑です!!」
ニヤニヤしながら
「そう言わずにさ~。」
霞が息を吐いて、
「ハッキリ言いますけど、私彼氏できましたから、もぉ~後について来るの止めて下さい。」
驚いた表情で
「誰??ファンクラブの誰か??」

「安部優輝!!」

豪が寝ている優輝を見て
「……あんなさえないヤツ??」

「ハイ。」
意味深な笑みで
「そう。」
それを聞いくと霞は次の体育のために女子更衣室に向かった。

優輝も起き上がって、眠気眼をこすりながら、体育着に着替える。
< 87 / 156 >

この作品をシェア

pagetop