君の魔法がとける瞬間(とき)


「言っとくけど、俺は嘘つきには協力しないぞ。
どんな理由であれ、俺らは騙されてたんだ。
どんな事があっても一人で乗り切れよ」





「はい。分かってます!」



「フンッ。あぁ、めんどくせ!てかお前、女に見えねぇよ?」



「いーんです!今は男なんですから!」



「ほぉ。"今は"ね」



相変わらず、碧空さんは冷たい態度だったけど…


前とは違う、優しさが見えた気がする。


嘘ついてる罪悪感が、消えるわけじゃないし、
消したらいけないんだけど。


ちょっと軽くなった…かな。



「りーくーさーん!
私、スープでも作りましょうか?」



「いらねぇ。オカマ」






_
< 102 / 338 >

この作品をシェア

pagetop