君の魔法がとける瞬間(とき)


「うわ〜…。おいしそうな紅茶ですね!」



「だろ?フランス製なんだ。飲むか?」



そう言って陽斗さんは自分のカップを差し出す。


「いいんですかぁ!
わぁ〜おいしそう〜」


私は何も考えずに、陽斗さんのカップを受け取る。




「佑月、ちゃんと自分のカップを出して飲め!」



ペシッ!


「いたっ!」


飲む寸前で、頭を叩かれた。

「…あ!すいません、陽斗さん」


気づいた私は、すぐにカップを返す。


そうだ…間接キスになっちゃうよ!



碧空さんは分かってて止めたのかな…。



自分で先に気づけっ!
私の馬鹿っ!



「本当、馬鹿」


小さく碧空さんは呟く。






_
< 105 / 338 >

この作品をシェア

pagetop