君の魔法がとける瞬間(とき)
「うわ〜…。おいしそうな紅茶ですね!」
「だろ?フランス製なんだ。飲むか?」
そう言って陽斗さんは自分のカップを差し出す。
「いいんですかぁ!
わぁ〜おいしそう〜」
私は何も考えずに、陽斗さんのカップを受け取る。
「佑月、ちゃんと自分のカップを出して飲め!」
ペシッ!
「いたっ!」
飲む寸前で、頭を叩かれた。
「…あ!すいません、陽斗さん」
気づいた私は、すぐにカップを返す。
そうだ…間接キスになっちゃうよ!
碧空さんは分かってて止めたのかな…。
自分で先に気づけっ!
私の馬鹿っ!
「本当、馬鹿」
小さく碧空さんは呟く。
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