君の魔法がとける瞬間(とき)


「碧空さんは〜、ギターが弾けたよね♪
佑月は?なんか出来んの?」



愛舞さんの問い掛けに何も答えられない私…。




楽器なんて小さい時に…オルガンをちょっと触った記憶しかありません…。





「佑月には、声があるよ」

陽斗さんが言う。





「そーだ!もちろん佑月にはボーカルやってもらうぞ!!」



「陽斗さん、理事長…。でも、僕が歌なんて…碧空さんの方がいいんじゃないですか…?」



碧空さんを見ると、知らん顔をしている。



や、やれってことかな…。


「いいじゃん。佑月歌上手かったし。この流れじゃ俺は〜ドラム?」



「皆さん…楽器も弾けるんですね…。つくづく、自分が情けないです」




「声も立派な楽器だろ」



落ち込む私に、一言。碧空さんが言う。



碧空さんの言葉は、ストレート過ぎるけど…


なんだろ…元気出るな。


心に真っすぐに入っていく感じ。





「どうする?佑月」



「…やります!」



理事長の問い掛けに、私ははっきりと答えた。





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