君の魔法がとける瞬間(とき)



「まぁ…その鈍感さに、俺は助かってるよ」



「はい?」




「なんでもない。まぁその女の子とは、ほどほどに。仲良くな。」




「ですね。わかりました!」



そう言うと陽斗さんは「じゃあ授業に出てくるな」と言って行ってしまった。





ほどほどにかぁ…。




そうだよね。私は、今は女じゃない…。




女友達として接したら、きっと変な誤解を生んでしまう。



それから私は、美咲と話すことはなくなった。




美咲は、やっぱり前のように話し掛けてくることはなかった。




気になったけど…気にしないようにした。



女友達とあまり話す機会がないから…楽しかったのになぁ。




鈍感な私は…やっぱり鈍感なままだった。





_
< 113 / 338 >

この作品をシェア

pagetop