君の魔法がとける瞬間(とき)


「あはは…!
うわぁ。初めてみた!でも願い事できなかったなぁ…。」



「………俺はしたよ」





「本当ですか!なんて?」




「この花火が、消えないように」



バンバンバン!
夜空に花火が舞い散った。



「うわぁビックリした!打ち上げ花火だ〜!
愛舞さん、それで何てお願い事したんですか?」




「お前になんか教えねぇよ!
ちびっこ花火。さっさと次の花火持ってこい!」





「何で〜!
わかりましたぁ。持ってきます」



教えてくれたっていいのに…。
ぶつぶつ言いながら私は花火を取りに行く。





「線香花火のようなお前が俺は………………。」




愛舞さんの声は、私には届いていなかった。







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