君の魔法がとける瞬間(とき)



「な…なんだ…碧空さんか…」




「なんだだと…?
お前な、何様のつもりだ。だいたい注意力が散漫なんだよ。俺じゃなかったら怪しまれてたぞ!」



ホッとしたのもつかの間。

碧空さんに説教をくらう私…



「ご…ごめんなさい。」



怒る碧空さんの手に握られてるのは、私が選んだ可愛い花火。




そのギャップが何だかおかしかった。



「なんだよ。笑ってごまかすのか?」




「いやっ…。ちが…」


怒られてるのに、おかしくておかしくて……言葉もろくに話せない。




「お前…」



怒った碧空さんはチャッカマンで花火に火をつける。


「うわぁあ〜!」




「待てっ!おいっ!」




「い、いやだ〜!!」



持っていた花火全てに火をつけて私を追いかける。



それを避けようと必死に逃げる。




その光景をみんなが見て笑っていた。



私も笑っていた。






_
< 120 / 338 >

この作品をシェア

pagetop