君の魔法がとける瞬間(とき)
「な…なんだ…碧空さんか…」
「なんだだと…?
お前な、何様のつもりだ。だいたい注意力が散漫なんだよ。俺じゃなかったら怪しまれてたぞ!」
ホッとしたのもつかの間。
碧空さんに説教をくらう私…
「ご…ごめんなさい。」
怒る碧空さんの手に握られてるのは、私が選んだ可愛い花火。
そのギャップが何だかおかしかった。
「なんだよ。笑ってごまかすのか?」
「いやっ…。ちが…」
怒られてるのに、おかしくておかしくて……言葉もろくに話せない。
「お前…」
怒った碧空さんはチャッカマンで花火に火をつける。
「うわぁあ〜!」
「待てっ!おいっ!」
「い、いやだ〜!!」
持っていた花火全てに火をつけて私を追いかける。
それを避けようと必死に逃げる。
その光景をみんなが見て笑っていた。
私も笑っていた。
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