君の魔法がとける瞬間(とき)
心臓の鼓動
あれから私は、歌の練習に励んでいた。
好きな歌をたくさん練習出来てとても楽しい。
「うん。今のいいな。少し休憩するか」
レッスンの先生は陽斗さん。
時々こうして、空いてる時間を見つけては練習に付き合ってくれた。
「歌上手くなったな」
「そんなことないですよ!」
否定するけど本当は嬉しかった。
「リクにも聞かせるか?」
!
リクという名前に思わず反応してしまう。
あの日…花火の日から私の心臓は何だか変だ。
「いえ…バカにされそうなので!それより、もう一度練習付き合って下さい!」
「いいよ。やろう」
「俺は人の歌をバカにするほどヤボな男じゃないぞ」
「…碧空さん!」
「んま、もっともお前の場合は別だけどな」
_