君の魔法がとける瞬間(とき)



「うん。良かった」



そう言って碧空さんは


私の頭の上に、ポン。と手を置いた。






……………………ドキ。





その瞬間、今まで聞いたことのないような心臓の音が…はっきり聞こえた。





…どうか、聞こえていませんように。





「ほっ…ほんとですか?!うわぁ!嬉しいなぁ…!」



慌てて必死にごまかす。




「何だよ。ちょっと褒めてやったくらいで調子乗りやがって」




私の頭の上に置かれた手は、スッと下ろされてしまった。



「また、聞いて下さい。それでは、おやすみなさい」




「おぉ。早く帰れ」



シッシッと
やられてしまった…。


さっきまでの碧空さんはどこへやら…







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