君の魔法がとける瞬間(とき)
「なぁ佑月!せっかくなんだ。出掛けないか?買い物とかお前あんまりしないだろ?」
「出掛けるんですか!楽しそうです!でも…一文無しなんですけど…私」
私はポケットをひっくり返す。
学校からそのままだから…なにも持ってない。
「そんなの知ってるよ。お兄様が奢ってやる。その変わり出世払いな?」
「…それって、奢るって言うんですか?」
「うるさいなぁ。すべこべ言わずについて来なさい、弟」
「はい!兄貴っ」
私と陽斗さんは出掛けるために玄関に向かう。
玄関までが…遠いなぁ〜。
さっきから何回曲がったりしたんだろ。
中庭まである〜!
「あ、犬だ!カッコイイですね!」
「愛犬、リンだ」
リン…?
リンっていう可愛い名前の割には…強そうだなぁ。
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