君の魔法がとける瞬間(とき)
「話って?」
「昨日ね、あたし見ちゃったの。」
「は?なにを……」
「ユズ君…いえ。ユズちゃんって読んだ方がいいのかな」
……………!
嘘…!
見てたって…昨日の見られてた!?
ドクドクドク…
心臓が激しく音を立てる。
汗がじんわりと滲む。
「何かの間違いじゃないか?あいつは男だぞ?くだらない事言ってないで早く国に帰れ」
「しらばっくれる気?!あたしちゃんと聞いたのよ!あの子は女でしょ!?」
さっきまでの落ち着いた感じから一変。
碧空さんを見る目はとても鋭かった。
「…俺にそんな事を言って、どうしたいんだよ?」
碧空さんも負けてないくらいの、冷たい声。
「あたしと付き合って!あたし、碧空が好き!黙っててあげるから…あたしを見て」
「…………そんな」
私を量りにかけて、華乃ちゃんは碧空さんに告白した。
碧空さん…もちろん…断ってくれますよね?
_