君の魔法がとける瞬間(とき)

「あたしの初恋は、別にあるってこと！
あたしがずっと会いたかったのは碧空じゃない。
でも恥ずかしいから…とっさに嘘ついちゃったの」




「そうだったんですか！？えっ…てことは陽斗さん？！」



私の答えに、ガクッと肩を落とす華乃。



「何でそうなるのよ！陽斗は全然ダメ！頭良すぎてムカつくわ」




「そうなんですか？……じゃあ、響さん？！」




響さんの名前を出した途端のこの態度。



かぁっと顔がユデタコみたい。




「わぁ…私みたい…」



「あんたと一緒しないでよっ！演技力はあたしの方が上よ。
でも…そう。響よ。顔見ると真っ赤になっちゃうから…見れないの！」




「そうだったんですか！華乃…可愛いっ…！」



私がそう言うと、華乃は私をベシッと叩く。



照れる仕草も恋する乙女って感じで…




本当に可愛いと思った。






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