君の魔法がとける瞬間(とき)


「あ〜〜〜〜
女ってやつは本当に分かんねぇ生き物だな。
さっきまでの争いはどうなったんだ?」





「碧空!」「碧空さん!」




私たちが話していると、碧空さんが突然現れた。



また全然気づかなかった。

碧空さんって…気配を消す天才?



「驚かさないでよ!ビックリしたじゃん!」




「驚いたのはこっちだ!佑月も戻ってこないから…取っ組み合いの喧嘩でもしてるのかと思った!」




碧空さんの慌てっぷりに、私と華乃は目を合わせて笑い合う。



「まったくやーねー!喧嘩なんかしたら肌に傷がついちゃうじゃん!
…それより、今までの事ごめんね。あたし馬鹿だったわ…。碧空を振り回してごめん!みんなにも、謝っといて」




「まさかお前の口からごめんなんて言葉が聞けるなんてな。生きててよかったよ」




「なによ、あたしより捻くれ者くせに」







_
< 204 / 338 >

この作品をシェア

pagetop