君の魔法がとける瞬間(とき)



「うるせっ」




「じゃあ…あたしアメリカ帰ろうかな。ママが戻れってうるさいし。ばいば〜い!またね、佑月」





華乃は、クルッと振り返って歩き出す。




まるで…忘れ物なんてないみたいに。



「華乃っ!!」





華乃…ダメだよ!


好きな気持ち、ここに置いていっちゃダメ…!




このまま伝えないつもり!?




「うるさいなぁ。なに?」




「帰るのは伝えてからでも遅くない!…と思います!」




「あたしの話聞いてなかった?あたし、こう見えてシャイガールなの。
てゆうか、その言葉そっくりそのまま返すわよ」



「華乃!」



華乃は立ち止まることなく…学校を去っていった。







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