君の魔法がとける瞬間(とき)
休日だというのに、私たちは集まって練習に励んでいた。
それぞれ楽器を演奏するみんなを、私はただ眺めるだけ…。
まだ完璧じゃないから、歌と楽器を合わせることは先になりそう。
「佑月、暇そうだな〜!」
「愛舞さん、そんなことないですよ!皆さんの練習風景見られるの私だけですから!しっかり見ておきます!」
「あはは!なんだそれっ。ちょっとこれ弾いてみなよ!」
愛舞さんがそう言って私を連れて行ったのは、キーボードの前。
「私…弾けませんよ?」
「まぁいいから!暇潰し暇潰し♪」
暇潰しかぁ…
まぁ音符読めないけど…実は触りたかったんだよね!
昔オルガン弾くの好きだったなぁ…
私は今練習している歌のメロディーを見よう見真似で弾いてみる。
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