君の魔法がとける瞬間(とき)

「名前すら知らないのか…そうか。知りたいかい？」


理事長の質問に、私は迷わず答える。




「はい…！」



「君の母さんの名前は、加藤ミヅキ。
私と君の父さんとは古い友人でね。君の父さんと母さんのことは良く知っている。本当にあの二人はお似合いだった。
美人のミヅキと優しい佑弥。幸せそうな二人が、とても羨ましかったよ」



佑弥とは…私のお父さんの名前。


お父さんのこと「ユウヤ」って呼ぶ人、いたんだ。



お父さんは…「アサカ」と周りの人たちから呼ばれていたから。



本当に仲が良かったんだ…


たったそれだけのことが…すごく嬉しい。




でも、一つ気になることがあった。




母さんは…生きてるの？







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