君の魔法がとける瞬間(とき)
「母さんは…生きてますか…?」
しばらく考え込んだ後、安仁屋理事長は言った。
「………いや。君が1歳になるくらいの時だったかな…。病気で……」
「………そんな」
母さん……死んじゃったの?
「彼女は最後まで…自分の事を記憶に残してやりたいからって…朝から晩まで君といたのを覚えてるよ」
溢れ出す涙を抑えられない。
母さん…私にも、私を愛してくれた母さんがいたんだね。
でも…じゃあ、どうしてお父さんは…はぐらかすような態度をとっていたの?
大事な思い出なはずなのに………………。
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