君の魔法がとける瞬間(とき)


「でも…お父さんは、母さんのこと、教えてはくれませんでした」





「そうか…。
それは君に意地悪していた訳じゃないよ。
多分佑弥は…ずっと逃げていたんだろう。彼女を最後まで守れなかった自分から…。もちろん、佑弥のせいで彼女は亡くなったんじゃない。
だけど…俺が守りたい。そして佑月とずっと一緒にいたいんだ。ってあいつは毎日泣いてた。
それほど…君と彼女をすごく愛していた」





私の知らないお父さんの姿。


言葉。



そして…おっきな愛情……。





お父さん…私、母さんがいてくれたらって思ったこともあった。



私の心の中には……母さんがいつだっていたのに…。



お父さんは…母さんをちゃんと守ってたよ。






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