君の魔法がとける瞬間(とき)


「今日はよかったな。
母さんや父さんの話が聞けて。ずっと気になってたんだろ」




「はい!本当によかった…。碧空さん、あの星寄り添って見えません?
きっとお母さんとお父さんですよ!」




私がこんな風に言うと、

碧空さんからは、いつも私を馬鹿にしたような返事が返ってくる。




…はずなんだけど





「きっと、そうなんだろうな。二人でお前を見守ってるんだろ」




「…碧空さん」




私が指差した星を眺める碧空さんの横顔。




優しそうに星を見つめるその顔に…



私もドキドキが止まりません。




お父さんも、こんな風にお母さんを見つめてた?




ドキドキ…してた??




「お前が嬉しそうで、よかったよ。安心した」





ニコッて…碧空さんは私に微笑む。




私にそんな…キラキラの笑顔を見せないで。







_
< 232 / 338 >

この作品をシェア

pagetop