君の魔法がとける瞬間(とき)
安仁屋さんの話はこうだった。
私を一目見た時から気持ちは決まっていたと。
私に、女の浅香佑月としてではなく。
男の浅香佑月として学校のモデルをしてもらいたいと。
学校には4人のメンバーがいて、私に5人目のメンバーとして、
学校のポスターなどに出てほしい。
それが条件だと、言われた。
「これでキミもビックになるぞ」
私に、悩むなんて選択肢はなかった。
安仁屋さんの役に立ちたい、お父さんの為に頑張りたい…そう思った。
「はい。わかりました。家以外では男として過ごせばいいんですね?誰にもバレないように…」
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