君の魔法がとける瞬間(とき)


「愛舞さん、私は行きますよ。愛舞さんと話したいので」




「俺は、話すことなんかない」



私は愛舞さんの言葉を無視して、隣に座る。




「なんだよ…!今一人になりたいんだ!」



「愛舞さん…プレゼントありがとうございます。私の欲しがってた物って…あの洋服ですか?嬉しいです」



「勝手に着てればいいだろ」



愛舞さんは、私から目を逸らしたまま冷たく言った。


「どうして、そんなに悲しい顔してるんですか?理由は分からないけど…でも…」





「分からない?俺が何で…こんな顔してるのか…お前は分からないのか?!」




「えっ…?」




月明かりに照らされた愛舞さんの表情は…


とても苦しそうだった…






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