君の魔法がとける瞬間(とき)



私が行こうとすると、手を掴まれた。



「陽斗さん?どうしたんですか?みんな行っちゃいますよ」




控室には、私と陽斗さんの二人きり…



「佑月…、もし…もし優勝したらお前に話があるんだ」



「えっ…優勝したらですか?今はダメなんですか?」



私の問いかけに、陽斗さんは頷く。


「どうしてですか?」




「ある意味…賭け、みたいなものかな。優勝したら、お前に本当のことを打ち明けたいんだ。いいか?」




「いいかって聞かれたら…それは、いいですけど…」



「よかった。じゃ頑張ろうな」



そう言って、陽斗さんは出て行ってしまった。




陽斗さんっ…意味深な発言はやめて下さぁい…!




戸惑いながらも
私もみんなのもとに急ぐ。






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