君の魔法がとける瞬間(とき)


「いないなぁ陽斗さん…話って何なんだろう」



お店の中を探し回っても陽斗さんは見つからない。




「あの…佑月くん?なにしてるの?何か困ってるの?」




「あ、いえ…ちょっと陽斗さんに用があるだけなんですけど…」


私が立ち止まっていると、知らない人にまた声をかけられた。



キレイな人…

この人も、生徒なのかな。



「ハルトを探しているの?」



「えっ…はい、そうです…」



陽斗さんのこと、ハルトって呼ぶ人がいるなんて…。


碧空さんでさえ、ハルなのに。



この人……。



「ハルトなら、さっき愛舞くんと一緒にいたわ。二人でベランダかどっかに行ったんじゃないかしら…」




「あ、はぁ…。ありがとうございます」




その人は…私を見て意味深に微笑む。





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