君の魔法がとける瞬間(とき)
「でも…佑月は…」
「知ってる。あいつが…佑月が碧空を見てるってことも…全部な。
俺はずっと佑月を見てきたんだ。それぐらい分かる。だけど…でも。俺が佑月を守ってやりたい…好きでいたいんだ」
「ハルさん………」
私は溢れ出す涙を止めることは出来なかった。
陽斗さんの気持ちも知らないで…
私…碧空さんと両想いになれて浮かれてた。
知らない間に…私また大切な人を傷つけた。
私の存在ってなに?
私は二人に気づかれないように、その場から立ち去った。
そして…決めた。
私はもう……ここにはいられない。
誰かが傷つく姿は見たくない。
辞めよう―――
《男》の浅香佑月を――。
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