君の魔法がとける瞬間(とき)


「一つ…お願いを聞いて下さい。いいですか…?」




「なんだい?」



「皆さんに黙ってて貰えませんか?皆さんの顔を見ながら出ていくと…恋しい気持ちになりますから…」




「碧空にもか…?」




「えっ…?」


碧空さん…。何でも話していた碧空さん。



あの人には…知られたくない。



でもっ…どうして理事長…。



「まさか自分の息子と娘が恋に落ちるなんてね〜…。お父さんビックリだよ〜」



「理事長っ!!!?」



私の顔は、一気に真っ赤になる。


これじゃ…バレるよね…。


「わかりやすいな〜。碧空が、女の子にあんなに優しくするなんてってお母さんと話してたんだ。あの子も愛することを知ったんだな」



「理事長…。私、碧空さんに出会えて本当によかったです…でも、黙ってて下さい」







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