君の魔法がとける瞬間(とき)


ザザーン―――



「波の音…素敵ね」



私は一人、海を眺めていた。



潮風がとても心地好い。




「そんなにボーッとしてたら、海に投げ飛ばすぞ〜」



この声…




「陽斗さん、意地悪ですね」



「碧空らしい事言ってみた。間違うと思ったのにな」



「声で分かりますよ!」



「あ〜そうか。ボイスチェンジャーでも買っとくんだったな」




「そこまでしますか?」




今日の陽斗さんは、よく冗談を言うなぁ。




格好も、いつもピシッとしてるのに…何だかラフだし。






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