君の魔法がとける瞬間(とき)


「意味わかんねぇ〜お前。まぁいいや、おいで?」




碧空さんは両手を広げる。



ドキドキ…



碧空さん、反則です。


最後の別れがしたいのに…これじゃ出来ない…。




「なんか最近、お前が足りてない気がする。ちゃんと顔見るのも久しぶりだしな」





「私は…ずっとあなたに会いたかった。振り向いてくれて…ありがとうございます…」




私は碧空さんの腕の中に包まれる。




いつも意地悪なのに…
今日は何だか優しいな。




このまま…時が止まればいいのに。



そんな馬鹿なことを、私は思っていた。





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