君の魔法がとける瞬間(とき)
「お前、変な風邪引いてねぇで早く学校来いバーカ。馬鹿は風邪引かないんだぞ。」
「すいません…!もう風邪なんて引きませんから。
碧空さん…碧空さんはずっと優しい碧空さんのままでいて下さいね……」
「なんだよ、意地悪されたくないってか?嫌だね〜。お前をイジメルのが生きがいだもん」
「あはは…生きがいなんですか」
私が言った意味、ちゃんと伝わってないなぁ…
碧空さんは、碧空さんのまま…ずっと私が大好きな碧空さんでいて欲しい。
私は碧空の前では、泣かないように頑張った。
泣いたら…碧空さん、絶対「何があった?言え」って言うに決まってる。
私は、碧空さんからそっと離れた。
「私……里美さんに呼ばれてるんで…もう行きますね…」
行こうとする私の背中に、碧空さんは言う。
「おいっ佑月!俺から離れるなよ」
私は…振り替えることなく、部屋を後にした。
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