君の魔法がとける瞬間(とき)


理事長の書斎にはられた、鈴尚学園のポスター。



「この中に…私が…」



考えただけで、鳥肌が立つほど…怖い。
この中に一人で入って、しかも女だとバレないようにしろだなんて…


いくら安仁屋さんや、お父さんの為とはいっても…
あまりにもリスクが高すぎるよ…。



「キミしかいないと思ったんだ。AIRISの最後のメンバーは。
キミを初めて見て、あの瞳の奥の強さを感じた時にね。」



「強さ…ですか?」



「そう。キミの目はお母さん似だね。彼女も強い女性だった…。」



安仁屋さんから出てきた言葉はとても意外なものだった。
私は知らない、お母さんのこと…。



「お母さんを……ご存知なんですか?」



"コンコン"


「入りなさい」


まるで、私にお母さんの事を教えたくないかのように、理事長は私から目をそらす。




「失礼しまぁ〜す」



ぞろぞろと入ってきたのは、あの4人だった…。






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