君の魔法がとける瞬間(とき)


「あぁ〜まったく。
お前はドジでアホで鈍感そうに見えるけど…本当はとんでもない魔法使いだな」



碧空さんは、そう言うと…


空港の中にも関わらず…私を抱きしめた。





「碧空さんっ…!人が見てます!離して…!」





「離さない。いや、離れない。俺はお前に、魔法をかけられたんだ。そうだろ?俺からお前を…離せない魔法。まんまとかけられたよ。俺としたことが。
お前の嘘は、全部魔法だったんだな」






「碧空さん…?何を言ってるんですか?」




碧空さんは、抱きしめる力を緩めようとはしなかった。






_
< 324 / 338 >

この作品をシェア

pagetop