君の魔法がとける瞬間(とき)

……………


ちょっとの沈黙が、私にはかなり長く感じた。



もしかして…バレた?
声で女だって分かったの?どうしよう…


だんだんと気持ちが焦りだす。



もうダメ…。差し出した手を、降ろそうとした時だった。




「よろしく!俺、愛舞!」


そう言って、その人は私の手をギュッと握ってくれた。



その人を境にほかのメンバーも「よろしく」と握手をしてくれた。



…一人を除いて…。



「俺は認めない。嫌だからなオッサン!」
そう言ってその人は部屋を後にした。






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