君の魔法がとける瞬間(とき)
「案内してやるよ。来い、佑月」
「は、はいっ!」
愛舞さんに手を引っ張られて、私たちは体育館を後にする。
「それにしてもお前って…何でそんなに声が高いの?生れつき?」
ギクッ…
痛いところをつかれ、反応に困る。
「はい…生れつきです」
「ふぅーん。まぁいいや。碧空さんはさ、あぁいう人なんだよ。基本的には新しい物にあんまり興味を示さないんだ〜。だからまぁ、迷惑かけない程度に頑張りな」
「碧空さんって確か…安仁屋って名字ですよね?理事長と何か関係が?」
私の言葉に愛舞さんは、驚いた顔を見せる。
「知らないの!?
つい知ってるもんだと…。碧空は、理事長の息子だよ」
「へぇ息子。
………えぇぇ息子!!
知りませんっ。言われませんでした」
「たくー、理事長も何を考えてんだか。
だから碧空さんははリーダーなんだよ。まぁ…1番人気があるんだけどね」
安仁屋さんに、高校生の息子さんがいたなんて。
そういえば…里美さんが息子がいるって言ってたな…
ってことは……………
一緒に暮らすの!?
「お〜い!佑月!!」
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